企業の「節約術」……それは父親の育児参加奨励なのかも?

ベンチャー企業が節約するための17の方法」という楽しい記事がありました。
 よく見れば、これは「節約術」という表面的な金銭コストよりも、業務効率を考えた全体コストの節約について書かれたものですね。
 これが実際に数値で示されれば、導入する企業も多いでしょうが、そうもいかないでしょうね、これ。

 ともあれ、

2.全員デュアルディスプレイに。作業時間の節約になり、かつ、社員が幸せになります。
4.テーブルは安いものをそろえましょう。一方、椅子はいいものを買いましょう。
11.素敵なエスプレッソマシンを買いましょう。スタバに行く時間とお金の節約になります。
12.冷蔵庫にはジュースなどの飲み物を補充しておきましょう。買いにいく時間がもったいないです。

 ここらへん、みんなが幸せな気分になれそうです。

 
 作業効率はともかく、仕事のモチベーション、と言いますか、仕事に対する感情というものは、成果に大きく関係してくることでしょう。

 そうなると、私としては是非追加しておきたいことがあります。
 それは「育児休暇が簡単にとれるようにしましょう」ということですね。

 まあ、13番の「フレックスタイムを導入しましょう。渋滞や満員電車を避けましょう。」に含まれているとは思いますが、社員が「子育て」に苦痛なく時間を割くことができるというのは、大きな要素だと思いますね。

 
 日本では、次世代育成支援対策推進法が施行され、父親の育児休業も推進していくこととなっています。
 しかし実際、競争社会の現場では、そう簡単にはいきません。
「子供がいるんで、先に帰ります。明日は休みます」などと上司に言おうものなら、とんでもないしっぺ返しが来そうです。

 父親が仕事忙しく、育児は母親にまかせきりですと、どうしても母親にはストレスが溜まります。
 そのイライラは、時として「虐待」という形になって子供に向けられることもありますが、それはここでは極端な例としても、夫に向けられるとどうなるでしょう。

 育児のイライラを夫にぶつける → 面白くない夫は気分を概して仕事にも影響 → 稼ぎに響いて妻は更にイライラに……という悪のスパイラルに陥りそうです。
 

 ちなみに、父親が育児をすると、子供の自己評価が高くなる、という調査結果があります。

 5〜6歳時点で、お父さんの育児行動が、平均点以上だった家と、平均点以下であった家を比較したとき、子供が10歳になった時点で「自分は生きていてもしかたがないと思う」と答えた子どもの割合が、平気点以上の家は6.8%だったのに対し、平均点以下の家は、18.5%に達しています。
 (明橋大二忙しいパパのための子育てハッピーアドバイス

 さらに、父親の育児行動の有無は、妻から夫への愛情にも強く影響しています。
 育児参加の夫は、妻から「魅力的な男性」「今でも恋人同士」と思われる率が高いと言われます。
 こうなってくると、お父さんは育児に積極的に参加した方がいいでしょう。子どもの自己評価も高くなるし、そもそも夫婦円満に。

 家庭環境がいいと、当然仕事にもいい影響を与えることでしょう。
 
 もしかしたら、父親に育児参加の機会をストレスなく与えることは、企業にとってもプラスとなり、ある意味「節約」になるのかもしれませんね。